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売上設計士 佐藤卓さん 売上設計士 佐藤卓さん

Interview — #06

変化を恐れるより、
変わらない景色が不安だった。
——58歳、AIと現場を繋ぐ「売上設計士」の新たな挑戦。

売上設計士 佐藤 卓

広告代理店で27年、交通広告やイベントの最前線に身を置いてきた佐藤卓さん。50代で早期退職という転機を迎え、彼が選んだのは、資格の勉強をしながら八百屋の店頭に立つという、一見すると「180度違う」道でした。

Sales Architect — Taku Sato

About this story

長年のキャリアと泥臭い現場、それらをAI技術でつなぎ、スモールビジネスの「想い」を形にする、全く新しいプロフェッショナルの姿がありました。

佐藤卓さん インタビュー01
01

27年勤めた広告代理店からの卒業、
そして「景色」を変える決断

27年間勤めた広告代理店を離れることに、迷いや不安はありませんでしたか?

きっかけは、53歳の時に提示された早期退職の募集でした。JRの指定代理店で駅の中吊り広告や看板、公営競技のプロモーションまで、27年間いわば「千本ノック」のようにあらゆる手法を叩き込まれてきました。でも、コロナ禍ですべてが止まった時、ふと足元を見たんです。このまま会社にしがみついても、60歳になれば給料は半分。それなのに、毎日同じ景色の中で定年を待つ。その未来の方が、僕にとってはよっぽど恐怖でした。

だから、打診された時も迷わず即答しました。退職金と失業保険があるうちに、自分自身の手で「新しい景色」を見に行こうと決めたんです。

02

商店街に渦巻く
「異常な熱量」に圧倒された日

スモールビジネス、特に地域のお店を支援したいと思った原体験は何だったのでしょうか。

会社員時代の最後に担当した、世田谷線沿線のマルシェが忘れられません。三軒茶屋の駅前広場に地元の商店主たちが集まったのですが、あるケーキ屋のご夫婦が凄まじかった。準備中に大喧嘩をしていたかと思えば、開店した瞬間に誰よりも生き生きとお客さんにこだわりを語り、後日お店を訪ねたら驚くほど仲が良い(笑)。

自分の腕一本で食っている人たちの、剥き出しの熱量と自己実現の姿。その輝きに猛烈に惹きつけられ、自分もそんな「個」が輝く商売を支えたいと、心から思ったんです。

佐藤卓さん インタビュー02
自分の腕一本で食っている人たちの、
剥き出しの熱量と自己実現の姿。
その輝きに猛烈に惹きつけられた。
佐藤卓さん インタビュー03
03

八百屋の店頭で確信した、
POP一枚が持つ「設計」の力

実際に八百屋の現場に立ってみて、どのような気づきがありましたか?

退職後に始めた週6日の八百屋バイトは、最高の実験場でした。例えば「パースニップ」という白いニンジン。馴染みがなさすぎていつも売れ残って困っていた商品でしたが、僕が 「冬の実力派」と銘打ったPOPを添えてもらったところ、一気に完売しました。でも、春先に同じものを出しても全然売れない。そこで「季節の変わり目に取り入れたい根菜」と環境に合わせて言葉を書き換えると、また売れ始めるんです。

経済学で言う「探索財」や「経験財」といった分類に商品を当てはめ、衝動買いの心理を掛け合わせる。代理店時代の知識と現場の反応が、僕の書いたPOP一枚を通じてカチッと噛み合った瞬間でした。

04

「弱者」には「弱者」の戦い方がある。
柔よく剛を制す戦略

佐藤さんが掲げる「売上設計士」としての、独自の戦略について教えてください。

僕は子供の頃から背が低く、勉強も運動も「一番」にはなれないタイプでした。だからこそ、強い奴に勝つための「弱者の戦略」には敏感なんです。商店街のお店を回って気づいたのは、店主の皆さんが自分の商売に誇りを持っている一方で、それを言葉にするのが照れくさくて苦手だということ。

SNSやPayPayなど新しい道具に翻弄され、本質的な「おすすめ」が疎かになっている。だからこそ、店主の代わりに僕が作った仕組みが「想い」を言語化し、店主とお客さんの心地よい距離感を埋める「代弁者」として寄り添う。現場の熱を損なわずに数字に変える設計図が必要です。

佐藤卓さん インタビュー04
佐藤卓さん インタビュー05
05

AIという「部下」と共に。
可能性を広げるためのデジタル活用

50代後半にして、AIを使ったプロダクト開発に没頭されているのは驚きです。

今はClaudeやPerplexityを使い倒して、誰でも再現性高く効果的なコピーを作れるアプリの開発を進めています。20ドルの月額料金を払っていますが、毎日制限がかかるまで対話を続けているので、全然足りないくらい「ぶん回して」います(笑)。

AIは楽をするためのツールじゃありません。自分の意図を形にし、一人では届かなかった場所へ可能性を広げてくれる最高の「部下」であり「相棒」です。部下のミスはリーダーの責任であるのと同じで、AIを使いこなし、結果に責任を持つのも自分。そう覚悟を決めて向き合えば、これほど心強い存在はありません。

AIは楽をするためのツールじゃない。
自分の意図を形にし、一人では届かなかった場所へ
可能性を広げてくれる最高の「部下」だ。
06

世間の「スペック評価」よりも、
自分の中の「納得感」を信じる

安定した会社員を辞め、50代で未知の領域へ飛び込む際、周囲の目は気になりませんでしたか?

正直に言えば、世間は年齢や肩書きといった「スペック」でしか人を見ません。58歳で八百屋のバイトをしながら、得体の知れない勉強をしている。哀れみの目で見られたり、心が折れそうになったりしたこともあります。

でも、他人は簡単に離れていきますが、自分自身を裏切ることはできません。世間が求める正解を追うより、自分が何にワクワクし、何を成し遂げたいか。その納得感さえあれば、他人の評価なんて気にならなくなるんです。AIだって同じ。否定する人もいますが、それによって自分の可能性が広がるなら、迷わず使い倒せばいい。そう考えています。

佐藤卓さん インタビュー06
佐藤卓さん インタビュー07
07

資格の合否よりも、
昨日できなかったことができるようになる喜び

これから新たな一歩を踏み出そうとしている人へメッセージをお願いします。

かつての僕と同じように、今の環境にモヤモヤしている人は多いと思います。でも、実際に一歩踏み出してみると、本当に景色が変わるんです。お恥ずかしながら僕は診断士の試験に何度も落ちていますが、その勉強のおかげでニュースが深く理解できるようになり、論理的な思考でアプリも作れるようになった。

昨日まで知らなかったことを一つ知り、できなかったことが一つできるようになる。その連続の先にしか、自分だけの景色は広がっていかないんです。これからも現場の店主たちと同じ目線で、泥臭く、けれどスマートに、商売の未来を設計し続けていきたいですね。

Message

景色は、一歩踏み出した先にしか
広がっていかない。

これから新たな一歩を踏み出そうとしている人へメッセージをお願いします。

実際に一歩踏み出してみると、本当に景色が変わる。

昨日まで知らなかったことを一つ知り、できなかったことが一つできるようになる。その連続の先にしか、自分だけの景色は広がっていかない。現場の店主たちと同じ目線で、泥臭く、けれどスマートに、商売の未来を設計し続けていきたいですね。

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Afterword

「58歳で八百屋に立ちながらAIアプリを開発する」——文字にするとどこか奇異に映るかもしれません。しかし佐藤さんのお話を伺ううちに、そのすべてが一本の線で繋がっていることに気づかされました。27年の広告代理店で鍛えられたマーケティングの目、店頭に立って初めて掴んだ消費者心理の生の手触り、そしてAIを「部下」として使いこなす柔軟さ。どれか一つが欠けても、「売上設計士」という唯一無二の肩書きは生まれなかったでしょう。
「変化を恐れるより、変わらない景色が不安だった」——その言葉が、取材を終えた今も胸に残っています。世間の評価軸に乗らない選択をする怖さと、それでも自分の納得感を信じ続ける強さ。佐藤さんの姿は、年齢や肩書きに縛られそうになるすべての人への、静かで力強いエールだと感じました。

筆者画像

秋田 信明 Nobuaki Akita

Wakku Inc. CEO|wakkul

SI・Web業界での28年の実務経験を経て、現在はセルフプロモーションサービス wakkul(ワックル) の企画・設計・運営を手がける。モデル・職人・料理人・エンジニアなど、あらゆる分野で技と物語を持つ人が自分らしく世界へ発信できる場づくりをテーマに、戦略と技術の両面から取り組んでいる。

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