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カメラマン Yumiさん カメラマン Yumiさん

Interview — #04

やってみなよ、変わるから。
——「やりたい」を信じて動けば、人生はこんなに楽しめる。

フォトグラファー Yumi

「あっち側に行きたい」。現場で抱いたその直感は、時を越えて一台のカメラへと繋がった。シングルマザーで三人の子供を育てながら、一度は手にした憧れのOL生活さえも「やはり自分は作る側にいたい」と飛び出したYumiさん。

Photographer — Yumi

About this story

なぜいま、彼女はシャッターを切り続けるのか。そこには「人を作品にして残したい」という真っ直ぐな情熱と、「自分が人生を謳歌することが、家族の幸せに繋がる」という、すがすがしいほどの潔さがあった。

Yumiさん インタビュー01
01

瞬きひとつで消える。
だから、その前に自分の手で残す

表現することへの原点は、どこにあるのでしょうか?

中学校の時は、自分はもう絶対画家なんだって信じて、毎日キャンバスの前に座っていました。学校から帰るとずっとキャンバスを見て、これから描くべき絵が浮かんでくるのを待つんです。でも、それが不思議なことに、瞬きひとつすると消えてしまう。だから視線を逸らさないようにして、視界に入っている筆をパッと取って、そのまま一気に描き上げる。目線を外すと消えちゃうから、もう必死でしたね。

当時はノートも自分なりにカラフルに色分けして覚えたり、とにかく「色」が大好きで。目の前の光景を、一番美しい状態で「作品」として残したい。中学生の頃に必死で筆を動かしていたあの感覚が、今の私のすべての土台になっています。

02

「あっち側に行きたい」。
直感だけで飛び込んだ現場

そこからスタイリストを志したのは、どういう経緯だったのですか?

18歳の頃、エキストラとして現場に出ていた時、衣装さんたちが立ち働いている姿を見て、あ、私はあっち側に行きたいって直感したんです。それで高校を卒業してすぐに専門学校へ入り、現役スタイリストの先生について現場を回るようになりました。

年末の歌番組なんかは、もう戦場ですよ。既製服じゃなくて自分たちでデザインして、その場で縫い上げる。本番当日、アーティストがステージの階段を登っている最中まで、片手に接着剤を持ってラインストーンを貼り付けていました。「ちょっと待って、あと乾かすだけ!」って走りながら(笑)。モニターを見て、狙い通りの角度で石がキラッと光った瞬間の、あ、光った! やった!というあの快感。人を作品にする喜びを肌で知ったこの経験が、いまカメラを構える私の原点なんです。

Yumiさん 撮影風景02
人を作品にして残したい。
その想いが、すべての原点。
Yumiさん インタビュー03
03

憧れの「ショムニ」の世界。
でも、現実は違った

そこから一度、OLに転身されたのはなぜですか?

結婚して子供を育てながらシングルマザーとして働く中で、拘束時間の長いスタイリストの仕事は限界でした。それで、ずっと憧れていたOLになろうと思って。ドラマの『ショムニ』の、制服で颯爽と歩く世界に惹かれたんです。

でも、いざ入ってみたら全然違って(笑)。毎日、朝から晩までパソコンの前でパチパチパチパチ……。2年繰り返した時に、これを定年までやるのは絶対無理!って確信しちゃった。もちろん会社で小豆をグツグツ煮ておしるこを作って食べたり、自由にさせてもらって楽しかった部分もあるんですけど、やっぱり私は作る側にいたい。その時、昔からお父さんの古いフィルムカメラを触っていたことを思い出して、カメラマンをやってみようかなって決めたんです。

04

給料を全投入した衝動。
退路を断って叫んだ「カメラマンになる」

そこから、どう動いたのですか?

まずは周りに、私、カメラマン始めるから!って言いふらしました。まだカメラすら持ってないのに(笑)。でも言ったからには買わなきゃいけない。友達に相談して、当時のOLの給料をすべて注ぎ込むような高いカメラを、酔っ払った勢いでポチりました。忘れもしない金額ですよ。

届いてしまったからには、もうやるしかない。最初はどこに連絡しても全滅でしたが、唯一写真館だけが、私は本当にシャッターしか切れません!って正直に伝えていたら、「うちで勉強しな」と拾ってくれたんです。最初の現場は保育園のスイカ割りでした。師匠が、俺が予備を撮っておくから、遊んでみなと言ってくれて。シャッタースピードを変えると写真が止まったりブレたりするのを見て、こういうことか!って現場で必死に食らいつきました。

Yumiさん 撮影風景04
Yumiさん 撮影風景05
05

紳士服店での出会い。
厳しい現場が教えてくれた「一生の武器」

そこからどのようにブライダルの世界へ入られたのですか?

転機はパート先の紳士服店です。スーツを買いに来たお客さんが持っていたカメラバッグを見て、「それ、家電量販店で見ました!」って思わず話しかけたんです。そこから話が盛り上がって。「ウェディングを撮りたいけど入れなくて」と正直に伝えたら、「Yumiさん、うち来る?」って。実はそこ、業界で有名なフォトスタジオの方だったんです。

現場は後から修正が効かないJPEG一発出しが絶対の世界。右も左もわからない私に、あるカメラマンの方が、「オートで撮るのを絶対やめた方がいい。うまくならないからマニュアルで撮りな」と教えてくれました。それ以来、私はずっとマニュアルです。できないことはできないと素直に言い続けて、全部現場で吸収させてもらいました。

そこでみっちり鍛えられた経験は、私にとって最強の武器になりました。「あそこの現場を経験したなら大丈夫でしょ」と業界内で絶大な信頼をもらえるようになったんです。その実績が看板となって、他のウェディング会社からも次々と声がかかるようになり、仕事の幅が一気に広がっていきました。

やっぱり私は作る側にいたい。
その直感だけが、いつも正しかった。
06

「ママが楽しいのが一番」。
子供たちが教えてくれた強さ

仕事に没頭する中で、お母さんとしての葛藤はありませんでしたか?

三人の子供たちには、寂しい思いをさせた時期もあります。土日は撮影でほとんど家にいなかったので、参観日に行けなくて謝ったこともありました。でも、そんな私に子供たちが「いいよママ。楽しいのが一番だし、頑張ってね」って言ってくれたんです。

その言葉を真に受けて(笑)、仕事も遊びも全力でやってきました。子供を置いて台湾へ弾丸で行ったり、ダイビングをしたり。私が人生を謳歌している姿を見せることが、子供たちへの何よりのメッセージになる。今はそう思っています。ママが笑っていれば、家族みんなが明るくなる。その強さを子供たちに教えてもらいました。

Yumiさん 撮影風景06
Yumiさん
07

繋がりが繋がりを呼ぶ。
ご縁で仕事が回る「今」がある

現在はどのようなスタイルでお仕事をされているのですか?

今は信頼できる数社に登録しつつ、基本的には紹介やリピートで仕事が回っています。持ち込みカメラマンとして入った現場で、スタジオの方に「うちにおいでよ」と声をかけてもらったり。自分のやりたいことを「やりたい!」と口に出し、ご縁を大切にしてきたら、道が繋がっていきました。

実は、本を出版することになったのも、このご縁がきっかけなんです。周りが紹介してくれたり、現場で出会ったお客さんがまた別の方を紹介してくださることもある。そうやって自分の願いを言葉にして、目の前の繋がりを大切にしていたら、想像もしなかったチャンスまで舞い込んできました。ご縁って、本当にどこまでも繋がっていくものなんですよね。

08

私の「やりたい」は止めない。

電子書籍を出版されるなど、着実に活動の幅を広げています。これからの展望を教えてください。

振り返ってみれば、18歳の時に現場で「あっち側に行きたい」と直感したあの時から、私の根っこは変わっていません。中学生の時に必死で筆を動かしていたのも、スタイリストとして人を輝かせる現場にいたのも、そして今、カメラを握ってシャッターを切っているのも。すべては人を、人生を、一つの作品に仕上げるための大切なステップだったんだなって思っています。

これまでの経験は、何一つ無駄じゃなかった。これからも、自分の「やりたい!」という直感に蓋をせず、全力で挑み続けていきたいと思っています。私自身が人生を謳歌して、全力で挑戦し続ける姿を見せていきたい。その姿が、誰かの一歩を後押しする力になれば、それ以上に嬉しいことはありません。

Yumiさん インタビュー08

Portfolio

Yumiさんの作品

Message

やってみなよ、変わるから!

最後に、これから何かに挑もうとしている人へメッセージをお願いします。

躊躇しているなら、やってみなよ、変わるから。

失敗しても成功しても、動いた瞬間に元の自分とは違う景色が見えます。ゼロのままではない。動いた時点で、もう変わってるんです。この記事を読んで、「あ、こんな生き方もありなんだ」って笑ってくれたら、それで十分です。

Yumiさん 撮影風景 Yumiさん 撮影風景

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Afterword

「準備が整ってから」ではなく、まず動く。「あっち側に行きたい」という直感を信じ、迷わず飛び込んでいく。シングルマザーとして三人の子供を育てながらも、一度きりの人生を「作る側」として全力で楽しむYumiさんの姿に、突き抜けた清々しさを感じました。
「やってみなよ、変わるから」。
自ら動いて景色を変え続けてきた彼女だからこそ言える言葉です。この記事を読み終えて、「私も自分の直感を信じていいんだ」と少しだけ心が軽くなったなら、それがYumiさんの願う、新しい自分への第一歩なのかもしれません。

筆者画像

秋田 信明 Nobuaki Akita

Wakku Inc. CEO|wakkul

SI・Web業界での28年の実務経験を経て、現在はセルフプロモーションサービス wakkul(ワックル) の企画・設計・運営を手がける。モデル・職人・料理人・エンジニアなど、あらゆる分野で技と物語を持つ人が自分らしく世界へ発信できる場づくりをテーマに、戦略と技術の両面から取り組んでいる。

Book

Yumiさんの著書

やってみなよ、変わるから! Yumi著

電子書籍

やってみなよ、変わるから!

著:Yumi | 次代への貯積

「なんでもやってみる」の精神で、シングルマザーの常識を覆す。
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